規格外の飴をやストローにする「カンロ」循環型社会目指す

Live News α」12月13日放送分

「カンロ」は割れて廃棄せざるを得ない飴をアロマスプレーやストローに!
循環型社会を目指さなければ プライム市場の上場基準を満たせない

のど飴で知られる 「カンロ」が飴から生まれたアロマスプレーの試作品が発表された。

今までも食品ロスに取り組んでおり、製造する過程で、余ったり割れてしまったりした規格外のものの一部は廃棄せざるを得なかった。

カンロ・三須和泰社長:
我々の廃棄した飴も大半は飼料に使われているということで、サーキュラー(循環型)になっていないわけではない。 ただ、より付加価値の高いものに使って行ければ、我々にとっても嬉しいし世の中にとってもお役に立てるのではないかと。

そこでカンロが パートナーとして ファーメンステーション(米や果物のかすなどからエタノールを作る技術で循環社会を構築する企業)と 日用品の開発に取り組んだ。

規格外の飴を混ぜ 発酵させることで、高純度・高品質のエタノールが精製されます。そのエタノールを活用し マスクスプレーアロマスプレーに生まれ変わらせました。
マスクスプレーは飴の甘い香りではなく、ラベンダーなどのハーブの香りです。

来年夏にもエタノールを活用した スプレーやウエットティッシュ、石鹸なども販売予定です。

また、今後は飴を使った食べられる「キャンディストロー」の販売も予定している。

経済アナリストの馬渕磨理子さん:
三須社長にお会いしたことがあり、カンロの企業活動のゴールについて「糖から未来をつくり、世界中の人を笑顔にする」と何度も話されていました。
SDGsを強く意識していて、規格外の飴を再利用する 今回の取り組みは カンロが目指す循環型経済を具現化したものです。

循環型経済への取り組み経営の最重要課題のひとつとされて、例えば東京証券取引所は来年4月、現在の1部、2部 マザース、ジャスダックの4つの市場から「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つの市場に再編します。
現在、東証1部に上場している企業でも気候変動リスクや持続可能な企業活動への取り組みに欠けていると判断されると「プライム」市場に移行することが出来ません。
そのため決算資料にあわてて環境への取り組みを書き込む企業も少なくない中、カンロの場合、2030年までに食品の廃棄とCO2を共に2割削減する具体的な目標を掲げ、毎年どれほどの削減が出来たのかを公表しています。
カンロは投資家に加えて すべてのステークホルダー(企業活動を行う上で関わるすべての人。地域住民 官公庁 研究機関 金融機関 従業員も含む)に向けた アニュアルレポート(年次報告書の国際的なコンペティション)に参加して6部門で「ゴールド」の評価を得ています。
カンロの創業は大正元年の老舗企業ですが 積極的に環境への取り組みと情報発信を行っています。
糖質制限が健康トレンドとして注目されている中、キャンデーを主力商品とする企業が成長するには消費者にも、地球にも 「安心安全」をアピールする必要があるのかもしれません。

すろー
すろー

「プライム市場」初めて聞いて びっくり。いかに「ボーっと生きてる」!
企業も大変ですね。


※東証が市場再編
プライム市場は、グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場、スタンダード市場は、公開された市場における投資対象として十分な流動性とガバナンス水準を備えた企業向けの市場、そして、グロース市場は、高い成長可能性を有する企業向けの市場として、コンセプトを明確化しています。
東京一部上場企業であっても、プライム市場の上場基準を満たせなかった場合には、スタンダード市場の指定となるそうです。