BS朝日 2024年1月6日OA 地球クライシス ~気候危機 転換への道しるべ~
過去から未来へのカウントダウン 第8弾☆視聴メモ
地球危機(クライシス)とも言われる気候変動。
「地球温暖化」はいつから始まり どう対処してきたか?平田仁子さんに聞く 日本の実情・次世代エネルギー 水素。一人ひとりが ちょっとでも興味を持つだけで変われる。
【CAST】松下奈緒、 依田司(気象予報士)、江守正多(気候科学者)
ゲスト:平田仁子(クライメート・インテグレート代表理事) 進行:望月理恵
「地球温暖化」はいつから始まり どんな対策をしてきたか
■イギリスの公共放送BBCのアーカイブ映像で「地球温暖化」はそもそもいつから始まり、人々はどんな対策をしてきたのか振り返る。
1970年 アメリカ では 第1回アースデーを祝った。公害・森林伐採・酸性雨 など 地球の天然資源の破壊が進んでいることを危惧 。環境問題=公害であり 地球温暖化を唱える人は少なく 氷河期が訪れるという意見が主流だった。
1979年 アメリカ政府 がJASON(ジェイソン)に調査を依頼し 極秘裏に地球温暖化が起きているというレポートを得た。
※JASONとは、主に機密性のある科学技術に関する問題についてアメリカ合衆国連邦政府に助言を行う、エリート科学者たちの独立したグループ。
1985年イギリスが 南極でオゾンホール発見 地球温暖化と結びつけだ。しかし 「気温の上昇とCO2の因果関係が分からない」地球温暖化が嘘だという人が多くいた。
1992年 ブラジルのリオデジャネイロで開かれた「地球サミット」、172ヵ国が参加する大規模な会議となった。「持続可能な発展」という理念を取り入れた「リオ宣言」が採択され、さらに「アジェンダ21」(具体的な行動計画)が策定された。
地球温暖化により、グリーンランドの氷河が解ける速度が過去20年間で5倍になっているという。グリーンランドの氷が全て解けた場合 海面を7メートル押し上げるとされている。
南極は風の向きが影響 過去50年間に3℃以上気温が上昇したといわれ 氷河は後退を続け、後退速度はこの12年間に加速した。溶けた氷の水が氷河の下に大量に貯められている。大きさ1キロもある氷が崩れ落ちる。
世界の平均気温が産業革命前と比べ 2021年までの10年間で 1.09度上昇、1970代の10年間は0.4度上昇。2023年は 1.4度上昇、パリ協定で示された目標 1.5度までわずかしかない。
2008年頃は 地球温暖化否定派との論争が続いた。徐々に人間の活動で地球は温暖化していることが判ってきた。今も懐疑派の人達がいる。
日本では 2006年 北海道常呂郡佐呂間町の国道の工事で竜巻が発生 作業員用のプレハブ小屋が飛ばされ 9人が死亡した災害があったり、2007年 日本最高気温を74年振りに更新、2008年ゲリラ豪雨が各地で発生、 地球温暖化が認められた。
2015年 パリ協定 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で2020年以降の温室効果ガス削減に関する世界的な取り決めがされた。世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする。 そのため できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と 森林などによる吸収量を同じにする(カーボンニュートラル)。
2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)にも、「気候変動に具体的な対策を」が盛り込まれ、この年を機に世界の気候変動への取り組みが加速しました。
平田仁子さんに聞く 日本の実情・次世代エネルギー 水素
2023年の「地球沸騰化」による記録的な猛暑により 長野県上田市の農家では リンゴ が 日焼け 廃棄するものが多く出ている。近年は野菜・果樹が栽培しづらい気候が続いています。
また 猛暑のため ダニが発生、寄生された ミツバチが大量死亡している。トマトやカボチャなどミツバチでで受粉されいる、ミツバチがいなければ農作物の7割が影響を受けるといわれ 世界的に食糧危機になる恐れがある。エサを食べられない野生動物の生態にも影響を与え 熊なども大問題に。
環境保護活動で功績があった人に贈られ 環境分野のノーベル賞ともいわれる「ゴールドマン環境賞」を2021年日本の女性として初めて受賞した平田仁子(きみこ)さん、英BBCが選ぶ2022年の「100人の女性」に選出された。気候変動のシンクタンクを設立。
福島第一原発事故後に日本政府及び企業が石炭火力発電の建設を推し進めてきたことに対して、気候変動の観点から株主提案を行い 建設計画の約3分の1に相当する事業が中止に至り、脱炭素社会の実現に貢献したことが高く評価された。
■日本の実情…日本の温室効果ガスの約8割が産業部門から排出されており、大きく世界に後れをとっている。
2023年 ドイツのシンクタンクと共に 日本の主要企業がカーボンニュートラルに対ししっかりした目標を立て、対策、公表しているか 評価したところ まだまだでした。
企業の排出二酸化炭素排出に関わる
スコープ1.燃料の燃焼(自社で自ら排出)
スコープ2.電気の使用(電気 熱を購入して 使用する部分
スコープ3.作った後 製品の使用・破棄の部分/原材料 どこから来て何で作られる/社員の通勤・移動 輸送 配達まで
世界的にはスコープ3までの把握と 情報の開示が義務化されて行く流れ、企業はサプライチェーン(製品の原材料・部品の調達から販売に至るまでの一連の流れ) 全体の流れにおける 排出を把握して 取り組みすること無くしては 実現は難しい。これがビジネスチャンスにつながる。
■次世代エネルギー 水素
経済産業省が打ち出した 水素基本戦略はCO2排出量の削減目標を達成するため 水素社会の実現に向けて進んでいく行政方針です。
化石燃料と違いCO2は一切排出されず エネルギーとして利用できると大きな期待が寄せられる。
しかし、現状では水素は気候変動対策にはほとんど役立っていない。
石炭や天然ガスから水素やアンモニアを製造し、新たなエネルギー源として活用する政策を推進しているのですが、水素やアンモニアをつくる過程でCO2が出るので 高圧で地中に送って埋める必要があり、コストもかかり、漏れる危険もある。
日本では、水素を生成するのに必要な設備や環境が整っておらず、現時点では再生可能エネルギーを増やすべきです。
一人ひとりが ちょっとでも興味を持つだけで変われる
■国や大企業に頼らずに自分の街から
環境省が行っている カーボンニュートラルの実現を目指すと同時に地域の魅力と暮らしの質を向上させ、全国のモデルとなる 脱炭素先行地域として100カ所作るため 現在74カ所選定されている。
その1つ 兵庫県神鍋高原 自然豊かな山々 スキー場もありますが、近年スキーのできる期間が短くなって 訪れる人も1/3になっていた。サステナブルツーリズムで行われている二酸化炭素排出削減として、アメニティを竹製に、石油暖房を廃材ストーブに変え、図書室の断熱化を行った。平田さんも加わっているそうです。世界からの意識ある観光客を呼び込めるでしょう。
2021年11月 グラスゴーで開催されていた COP26 で石炭を段階的に削減するという史上初の国際合意と、地球温暖化を1.5度に抑えるためのロードマップができた。
■一人ひとりができること。社会と経済に関わる社会の仕組みを変える。銀行はいろいろな事業に出資するので そのために「銀行に手紙を書こう」10通では変わらない、100通だと会議が開かれ、1000通届くと事態が変わる。手始めに 社会を変えようとしている人を応援する。 平田仁子さんのX(twitter)をフォローする。ちょっとでも何か調べてみようとか、興味を持つだけでも違ってきます
夢のような水素エネルギー、私は水を電気分解して作るものだと思っていました。
化石燃料から作って CO2発生させて 作るなんて 想像外でした。
世界的には 石炭を段階的に削減する動き、無理し過ぎと思いますが、発展途上国が
どうやっても 上がってこられないような。日本もですが。
知らないことが多すぎて 平田仁子さん 注目したいと思います。
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