「あさチャン!」2021.7.22<SDGsな未来へ・ここスゴッ!発明>
iPS 細胞を使った日本発のコロナ治療薬開発がすごい!キラーT細胞は ウイルスに感染した細胞を探し出して破壊。
世界初のがんワクチン その開発加速がスゴイ
老化のメカニズム 解明・IPS 細胞を使った若返り研究が進んで 健康寿命を延ばす。
新型コロナ 現状 ワクチンの効果いつまで?変異型?
2012年ノーベル医学生理学賞 を受賞した 京都大学 iPS細胞 研究所 山中伸弥 教授
私のSGDs。私たちは IPS 細胞を使って 画期的な治療を 世界中の方に 良心的な価格で 届けるように日夜 努力しています。
これからもいろんな困難を乗り越えて 私たちの夢を実現させたいと思います。
世界の期待しているコロナの治療薬、そしてガンを治す世界初のワクチンが 近い将来誕生するかもしれません。
(夏目)コロナとの戦いから もう1年半立とうとしているわけですよね。
先生 当初「コロナとの戦いは 長期戦でマラソンのようだと考えてください」というように 発信されましたが 今どの辺りまで来ているんでしょうか?
(山中教授) 非常に良いワクチンが出来て ようやくトンネルの向こうに光が見えていると思うが、トンネルを一回抜けても また向こうにもトンネルがあるんじゃないかとか、ワクチンの効果がどれぐらい続くのか 未だにわかっていなくて、あとやっぱり変異型ですね。
デルタ株はワクチンの効果をを減弱させることが分かっているので、今後さらに新しい変異型 が出てくる可能性は 十分にあると思いますから この二つが読めないのでまた次のトンネルがあり得るということは想定の範囲内だと思っています。
(夏目)先生予防という意味では 今は ワクチンが 世界各国で普及して 皆さんに接種されてきていますけども 。
(山中教授)やはり1番求められているのはこのウイルスに特化した このウイルスだけにものすごく効果がある薬。できたら注射じゃなくて飲み薬にできたら本当にいいですから。
iPS 細胞を使った日本発のコロナ治療薬開発がすごい!キラーT細胞は ウイルスに感染した細胞を探し出して破壊
京都大学ウイルス再生医科学研究所と共同研究している藤田医科大学
治療薬の鍵を握っているのは、山中教授の発見した iPS 細胞でした。
京都大学ウイルス再生医科学研究所 河本宏副所長
iPS 細胞を材料にして そこから再生したキラーT細胞を治療薬として使おうということを考えています。
(夏目)キラー T細胞 一体どんな細胞なんでしょうか?
(河本)キラーT 細胞はウイルス感染細胞を殺すためにいる細胞です。最終的にコロナを治してしまう切り札となる細胞です。
緑色に光るのが人が誰でも持っている免疫細胞 キラーT細胞です。
悪性の細胞にへばりつくと くっつかれた細胞が赤色に、これはその細胞が死にかけている証拠です。
キラー T細胞は、ウイルスに感染した細胞を探し出して破壊する力を持っている。
新型コロナウイルスに感染して 回復した人の血液からキラー T 細胞を取り出す。
IPS 細胞で培養して人工的に増やし、点滴薬として 投与する 3年後の実用化を 目指しています 。
(河本) 人類にとって こんなに大事なキラー T 細胞が、 IPS 細胞から作れる。これを使わないという手はない。キラー T細胞療法というのがコロナ治療薬の大きな一角を占めるようになると確信しております。
(夏目) IPS 細胞は治療において無限の可能性を秘めていますね。
(山中教授)コロナに感染して回復した人の血をいただいて そこから IPS 細胞を作っています。
僕たちにできることは限られていますから、世界中の方に無償で提供しています
普通研究というのは競争なのですが この新型コロナウイルスに対しては競争というよりは協力が一番大切ですので それぞれの研究者が得意分野で貢献してみんなで力を合わせると 一人ではできないようなスピードで 一人ではできないようなブレークスルー(突破口)ができる。
(夏目)ワクチンそして治療薬が確立されればこの新型コロナウイルスと私たちとの付き合い方というのはどんな風に変わっていくんでしょうか
(山中教授)今まではウイルスと戦うという感じが強かったんですが、ワクチン治療薬が揃ってくるとある意味コロナと共存と言いますか、そういう風に考え方を変えることができるかもしれない。
世界初のがんワクチン その開発加速がスゴイ
光が見えているのはコロナの治療薬ばかりではありません。
「ワクチンで癌を治す」 そんな夢のようなプロジェクトが進展するきっかけとなったのが新型コロナワクチンだったと言うんです。
(山中教授)今まで人類に使われたこともなかった mRNAワクチンがこんなに有効なんだということが世界中で実証されたわけですから これは非常に大きいと思います。
またワクチンというのは感染症だけでなく、今は癌に対する予防というよりは治療としてワクチンを使う という研究も進んでいるんですが、今回の事によってがんワクチンの研究開発も かなり加速するのでは と期待しています。
独 ビオンテック社 HP
こちらは日本でも承認された新型コロナワクチンの開発メーカーが先月公表したページです。
コロナで脚光を浴びたワクチン技術を使って ガンを治すワクチン開発を目指す。
先月18日発表臨床試験の第2段階へ進み 初期段階ですでに有望な結果が出ているといいます。
(夏目) iPS 細胞もがん治療の研究に大いに役立てられていますよね。
(山中教授)すごい研究が進んでいます。やはり iPS細胞から免疫系の細胞を作り出して いろんなガンを攻撃する細胞を作り出して それを患者さんの体内に戻してガンをやっつけてもらうと 、一部 臨床試験に入っている研究もあります。
やはり癌は日本だけでも国民の二人に一人、言ってみたら 将来 私か 夏目さんか どっちかは癌になる。
もし夏目さんが将来 癌になったとしたら、その時には絶対間に合うようなスピードで 多くの人が一生懸命研究をしています。
(夏目)それはじゃあ10年20年より もっと早いスピードの可能性があるということですか?
(山中教授)なかなか予想はできないんですけども、ただもう数年後に今言ったような治療法が実用化されても全然 不思議ではないと思っています。
老化のメカニズム 解明・IPS 細胞を使った若返り研究
山中教授 が 今新たに挑んでいるのは 人間が避けては通れない 老化のメカニズム 解明
(山中教授) 多くの病気は細胞の老化が原因で起こっています。
この細胞の老化をどう食い止めるのか、できれば 老化した細胞を少しでも若返らせる。
そういう技術が、根本的な病気の治療という意味では非常に大切だと思います。
僕もランナーですけれども毎年毎年タイムを伸ばすのが 毎年毎年タイムをなかなか伸ばすのが大変になってきています。
これは一つの原因は心臓の筋肉が少しずつ老化していく、マラソンが遅くなるぐらいはいいんですけど、心臓の老化が心不全や病気につながっていくわけですから なんとかそれを食い止める。できたら少しでも元に戻す事が出来るんじゃないかと。
(夏目)そういったことができたら夢のようですね。
(山中教授)決して不老不死とか そういうものを目指しているのではなくて 健康寿命を伸ばしたい。
日本は世界で一番長い 平均寿命の長寿国ですけれども 健康寿命をみると平均寿命より十歳ぐらい短いんですね。
その10年には介護・看護が必要で、その時間を少しでも短くするそのためには 細胞レベルの老化をどう防ぐか 少しでも 食い止めて若返らせる。そういうことが根本的に必要になると思います。
(夏目)これからも iPS細胞に期待しています。
(山中教授)一生懸命頑張ります。決して平坦な道ではないんですけれども 色々な失敗を乗り越えて患者さんに技術を届けられるようにこれからも頑張っていきたいと思っています。
iPS 細胞の i iPhone のように小文字で広く・多く・世界の人々に役に立つようにという山中教授の思いが込められています。
山中教授の研究は個人や企業の多くの寄付によって成り立っている部分があるんです。
日本の科学研究費が必ずしも十分ではない中で, 自分でフルマラソンを走って3時間30分を切ったら 寄付をお願いしますというようなことを呼びかけていらっしゃいます。
私一度そのお話を聞いたことがあって そうやって集めた寄付であるだけに、今回は無償で IPS 細胞を世界に提供してコロナに立ち向かう、役に立ちたい との想いが今のインタビューからひしひしと伝わってきました。
▽すろー感想
山中教授 無償で IPS 細胞を世界に提供してコロナに立ち向かっていられると聞いて 驚きました。
そして 新型コロナウイルスに対しては競争というよりは協力が一番大切ですので それぞれの研究者が得意分野で貢献してみんなで力を合わせると聞いて ありがたいことです。
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