いまも 地球温暖化による災害が起こっている。
BBCがオセアニアの温暖化の現場を取材した番組を紹介 それは ソロモン諸島 海面上昇で 5島 水没、グレートバリアリーフのウミガメ 砂浜が暑くメスばかり誕生、オーストラリの干ばつ 山火事
未来の日本に起こるクライシス コシヒカリが無くなる・スーパー台風 ・ ナラ枯れが土砂災害の要因
廃棄される食品回収で食品ロスをなくす、タスマニア海藻栽培で温暖化の熱を吸収 カーボンリサイクル 若者達の活動など紹介
ナビゲーター:柴咲コウ 出演:依田 司(気象予報士)、江守正多(気候科学者)進行:八木早希
2021年に起きた地球温暖化による災害
7月 シベリアで起きた熱波で最高気温33度を記録
7月のヨーロッパ洪水(ドイツ・ベルギー)
8月に2万人に避難指示が出された米国・カリフォルニア州の山火事など。
気象予報士 依田司は「シベリア 高温で氷が溶ける⇒海と大地があらわに⇒氷に覆われている白く熱を反射するが、熱を吸収し始める⇒両極から温暖化が加速している」と解説した。
気候科学者 国立環境研究所副領域長 江守正多「温暖化で昔閉じ込められていた 古代のウイルスが出てくる」と警告。
凍結されていた古代のウイルス出てくるって恐ろしいです。
ソロモン諸島 海面上昇で 5島 水没
英国の公共放送・BBCがオーストラリアをはじめとしたオセアニアの温暖化の現場を取材した。
車いすバスケットボール選手アデ・アデピタンさん がレポート
ソロモン諸島は太平洋に浮かぶ約1000もの島々で、世界でも森林の多い国の1つで、国土の約4分の3が木で覆われており 人口が少なく ほとんどの人が陸か海に頼って生活。
カーレ島はかつて面積が5万平方メートルあったが、海面が上昇して消滅してしまった。
海面が上昇し続ける中、案内してくれたグラディスの村も今、脅威にさらされ 海岸は無くなり 家は海にのまれようとしている。
ソロモン諸島の温室効果ガス排出量は、地球全体の100分の1にも満たないのに 最も高い代償を支払わされているのが太平洋に広がる島々です。
科学者 サイモンアルバート教授に会いに ソゴモウ島へ。
ここ数年で島の多くが海の中に消えた。
20cm海面上昇で 潮水が内陸部へ浸透し やがて樹木が枯れる。砂を固定する木が無いと島は流される。
サイモン教授は気候変動の影響を受けている島の数を調べるため、周辺の島々の空中写真を撮影していて、ソロモン諸島にある5つの島が完全に水没、さらに今まさに水没しようとしている6つの島があると明らかにした。
仮に明日から二酸化炭素の排出を止めたとしても、すでに発生している気温上昇により、今後100年間は気温が上昇し続ける事になると言われている。
海面上昇の原因
1.水温の上昇で海水が膨張
2.氷河などの氷が溶ける
日本の海面上昇
グリーンピース ジャパンが作成した 2030/2050年 海面上昇マップ (こちら)
極端な気象現象が重なった場合 東京をはじめ 人口や産業が集中する 大都市圏 名古屋や大阪の海岸付近に広がっている ゼロメートル地帯や 低地において大きな被害が心配されます。
たった20cmの海面上昇で 島が何個も消えてしまったの?
それより恐ろしい 海面上昇マップ 堤防作っても無理でしょうね。
グレートバリアリーフのウミガメ 砂浜が暑くメスばかり誕生
オーストラリア グレートバリアリーフ ヘロン島へ向かった。
グレートバリアリーフは世界が誇る素晴らしい自然の1つで、何百ものサンゴと1000種類以上の魚が生息し、海洋生物で溢れている。アオウミガメの繁殖地でもある。
ウミガメは地球の生態系にとって非常に重要で、海の生物のバランスを保っている。
しかし砂浜に卵を産む彼らにとって、砂浜を暑くさせる温暖化は大きな問題となっている。
WWFのクリス によると「砂浜の温度でアオウミガメの性別は決まってしまい、現在はメスが99%となっている。」
夜 ウミガメが産卵のために浜辺に集まっていた。クリスはクイーンズランド大学のチームと協力し、オスの産卵数を増やそうと まず卵を集め 研究チームは人工的な巣を作り、砂や卵を涼しい状態に保つています。
「気候変動に対応出来ていないので 人間が介入しなければならない。オスのウミガメの数を増やす方法が確立されたら、気候変動の影響を受けている他の繁殖地にもその方法を展開したい」と クリスたちのチームは考えています。
オーストラリアは世界最大の石炭輸出国・干ばつが続いている現状
オーストラリア本土へ向かうと フェリーが停泊しているところに 気温上昇の主な原因の1つが見えた。
北東部のクイーンズランド州は石炭で溢れている場所で 石炭は船に乗って世界中へ運ばれる。
世界は電力を必要としているし、政府は経済を大事にしている。
最大の課題はどうやって燃料への依存を断ち切り、温暖化を加速させるサイクルを断つことができるのか。
問題は石炭が簡単にお金になること。オーストラリアは世界最大の石炭輸出国。
そのためか ここへ住む人達は気候変動に懐疑的な人が多い。
訪れたのは2019年11月で、国土の約3分の1が干ばつに見舞われた。
クイーンズランド州の奥地で人々は雨が降ることを祈っている。
ジェフ エリオットが所有するヒツジの牧場は、本来青々とした草原が広がっていた。
以前は8000頭ものヒツジを飼っていたが、雨がほとんど降らない今は1000頭しかいない。
草が生えないのでジェフは週に5~6万円分ものトウモロコシをエサとして買っている。
水飲み場は 水が出ない。何十年もこの地で耐えてきたジェフにとっても、もはやこの地での放牧は限界だという。
このような状況で生計を立てることは非常に難しく、ここの農家の男性の自殺率は一般男性の2倍に上る。
オーストラリアは豊かで栄えた国だが、今、気候変動の影響により厳しい状況を迎えている。
オーストラリアの山火事が悪化
東南部に位置する ニューサウスウェールズ州の広大な地域で火災が悪化している。
山火事の状況をリアルタイムで表示する地元消防署のウェブサイトにアクセスすると、この州の東海岸全体が火の海になっている事がわかる。
オーストラリアでは昔から山火事が発生していたが、干ばつの影響で更に激しくなった。
アデさんは防火服を着て 山火事の現場に向かった。 ずっと車で走り続けても どこもかしこも焼野原です。
消えて見えた炎が上がり 引き返しました。
何ヶ月も火事の対応に追われていました。2019~2020年の山火事で 国土の3%が消失 30名以上の命が失われました。
山火事に遭った住民は「気候変動 大したことないと思っていたが、今では脅威を感じている」と話した。
依田「気候変動により進んでいるのは 高温と乾燥。木々の葉っぱがこすれ合ったり、雷が落ちて発火 それを基点に大きく広がる」
乾燥しきって こすれあって 火事になるなんて 注意のしようが無いですよね。
未来の日本に起こるクライシス
1.日本のお米 コシヒカリが無くなる
お米の専門店 スズノブ
ブランド米売れ筋 ‥ 2010年以降に発売されたもの
NO1 新潟産 新之介(おにぎり)
NO2 山形産 雪若丸(中華・カレーライス・チャーハン)
NO3 山形産 つや姫(寿司・漬物に)
今までトップのコシヒカリは 外れてきた。2等米になることが多く 温暖化の影響で品質が低下
精米すると 白濁した米が混じるように! 高温障害で起こる 味が落ち 食べたときの食感がベチャとなる。
これは デンプンがきれいに配列されなくなる。それはデンプンを合成する酵素が 高温で活性が落ち 白濁してしまうと考えられています。昭和生まれの古い品種は顕著に表れている。
売れ筋最近開発されたお米 高温障害に強いんですね?
産地なのに 始めて聞きました。
総合地球環境学研究所 監修 2100年未来の食卓
ご飯⇒サツマイモ、サラダ⇒山菜、りんご⇒ライチ、ハンバーグ⇒コロッケ、日本茶⇒コーヒー
日本茶、葉物野菜 高温障害により 露地栽培が難しい。
2.日本に上陸する スーパー台風 甚大な被害予想
2019年、日本列島に上陸した台風19号は、最大瞬間風速40m以上、全国各地で観測史上1位の雨量を記録。猛威をふるい日本を縦断した。
死者は90名以上、浸水した住宅は7万棟以上という甚大な被害を及ぼした。
毎年大きな被害を出す台風だが、未来の日本を襲う台風はこんなものではないと警鐘を鳴らす専門家が、名古屋大学で台風を研究する坪木和久教授。
海面水温が上昇すると、水蒸気量が増加し、積乱雲が大量発生するため、より強力なスーパー台風が日本近海で発生する可能性があるという。
※平均の最大風速が67 m/s 以上の極めて強い台風を「スーパー台風」であると定義
2013年にフィリピンに上陸したスーパー台風 「ハイエン」 は、死者6000人以上の大きな被害を出した。
今年日本に上陸した台風10号に比べ、風速は倍以上の 最大瞬間風速90m という極めて危険な台風。
雨と風を栃木県防災館でシュミレーション。
想定最大規模の降雨 視界が悪く 歩けない。
1時間最大雨量 153mm・24時間総雨量690mm 渋谷はハチ公も冠水、最大10m冠水する地域も
最大風速 67m 自転車は風にながされる。窓ガラスは粉々に 、車のドア180度に開き閉められない。
日本家屋倒壊 電柱は折れ 走行中の車は流され走行できない。
今年の豪雨 8/11-19
10地点で総雨量 1000mm以上 (1年間分 10日で降った)
地球の温度1度上がるごとに 水蒸気7~10%増える。
地球温暖化での気温上昇により 雨量増加 土砂災害を引き起こす。
3. 土砂災害 山の中 ナラ枯れを引き起こす小さな虫が大量発生中
山形大学 菊地俊一准教授
日本の国土は 木々に覆われていて 土砂崩れを防ぐ 機能を持っている、しかし森も変化してきている。
日本の森である生き物が大量発生しているという話を受け、向かったのは秋田県。
詳しく教えてくれたのが東北の国有林を管理する森林管理署の藤田幸人さん。
ここで管理している国有林のミズナラが被害を受けているという。
ミズナラを代表とするナラの木は日本全国に分布し、公園などにも植林され秋にはどんぐりを実らせる日本人になじみ深い木。
2年前の令和元年わずか397本だった被害がたった1年で45倍に拡大。
同様の被害は秋田県だけではなく39の都府県で起きている。
茶色く枯れたミズナラが各所で見られ 秋田県の国有林でおよそ1万8000本が枯れていると報告されている。
枯れたナラの木に近づいてみるとナラの木に無数の小さな穴があり、中に虫らしき生物が見つかった。
5ミリにも満たない 小さな虫の正体はカシノナガキクイムシで ナラの木をすみかとし以前から山に生息していた。
ナラ枯れの第一人者 小林博士によると 地球温暖化で繁殖活動が活発になり大量発生している。
木は荒らされ病気になり数カ月で枯れてしまい、土砂災害の危険性が高まるといわれている。
山の斜面は木々が根を張り巡らせている事で土や石をせき止め流れ落ちないように固定されている。
しかしナラなどの木が枯れて根がなくなる事で土壌を支える力( 緊縛力)が弱まり 土砂災害の危険性が高まってしまう。
現在カシノナガキクイムシが寄生しないよう 薬剤などを注入する処理を行っているが 数が多すぎて対処しきれないのが現状だ。
この枯れた木のあるところは 傾斜が45度以上で 直下に民家があり たとえ大雨による土砂災害が起きなかったとしても 木が倒れるだけで大きな被害を引き起こす可能性がある。
森林管理署では枯れてしまったナラの木の伐採を進めているが 多すぎて対処が追いついていない。
人間との関係でいうと これまでナラの木は薪とか炭とかでよく人間が使っていたのを 使わなくなってナラの木が余っている。そこに虫の大量発生が起きている。
ナラ枯れ ずっと前からあったような気がします。国道沿いの山 紅葉時でもないのに 赤茶けていました。 カシノナガキクイムシ のせいでしたか? でも あんな急な山に入るのも大変ですよね。
廃棄される食品回収で食品ロスをなくす
BBC オーストラリア の地球温暖化政策
取材班はオーストラリア最大の都市シドニーを訪れた。
アシュリー・キーンが働くオズハーベストは廃棄される食品を回収する会社です。
スーパーマーケットには常に新しい食品が届くので 回収しなかったら捨てられるだけだという。
世界では生産した食料のおよそ3分の1が捨てられている。
食料を育てるだけで大量の温室効果ガスを発生させているのに それを捨ててしまうという事は 無駄な排出をしているという事になる。
オズハーベストは廃棄される食品を回収し オズハーベストマーケットに向かいます。
こうした野菜は全部無料で提供しており、廃棄物を使い切る事ができれば、食べ物の生産量を減らす事ができる。
食品ロスによって発生する二酸化炭素の排出量は 米国や中国が年間に排出している二酸化炭素量に次ぐほどのばくだい莫大な量になります。
必要のない食料の生産をやめれば、温室効果ガスをおよそ10パーセント削減する事ができる。
一般家庭でも食品が無駄になっている。
多くの人は 1日前に冷凍庫に入れておけば大丈夫なのに 賞味期限が近づくと食べられないと思って捨ててしまう。
食べ物を捨てずに 買い物リストに沿って買い物をしたり 買い物の前に冷蔵庫の中をチェックしたりする事は気候変動の抑制に貢献できる第一歩になります。
賞味期限前に冷凍室に入れるって そうですよね。ドレッシングなど入れられないものが ありますね。やはり買いすぎないことですね。
タスマニア オオウキモを育て水中に林 温暖化の熱を吸収
BBC「オーストラリアの地球温暖化対策」
今回の旅の最後の目的地は タスマニアで 気候変動の解決に向けて先陣を切っている場所。
クレイグ・ジョンソン教授の研究チームは陸ではなく水中に林を作っていると考えている。
この海域はオオウキモという海藻の生息地で、他の海藻と同様に成長すると二酸化炭素を吸収して蓄える。
しかもオオウキモは地球上で最も早く 1日に 4~50cm 成長する海藻の一つであり熱帯雨林よりも早く 二酸化炭素を吸収する事ができるといわれている。
しかしこの辺りの 海水温の上昇によりほとんどのオオウキモが死んでしまった。
人間が引き起こした地球温暖化の90パーセントは海に吸収されている。
今まで大気から海に取り込まれた熱の量を計算してみると原子爆弾を25年間爆発させ続けるほどの莫大な熱量になる。
クレイグと彼の研究チームは 気温が高くなっても生き延びる事ができるオオウキモを もっと植えようとしている。おそらく8ヶ月以内に10mにもなるはず。
グリーンピース元代表 ポールギルティング「文明は完全崩壊しかねない」
地球温暖化をどうすれば解決できるのか、アデ・アデピタンは 環境保護団体・グリーンピースの元代表・ポールギルティングの自宅を訪ねた。
現在はケンブリッジ大学の学者として気候変動について世界中で執筆や講演を行っている。
彼は 涼しく水や食料が豊富で 食料を育てる余裕がある場所に住んでいれば将来安心だと語った。
今後地球がどうなるかについて聞かれると「どのくらい悪化するかは科学的な証拠からも明らかだ。文明が完全に崩壊する可能性ももちろんある。文明は完全崩壊しかねない。
気候変動で大陸が崩壊し 何十億もの人々が移動を求め国家が不安定になる。その結果軍事的な紛争が起こり現在の文明の構造は崩壊してしまうと指摘した。
アデがその解決法を聞くと「その気になれば 完全に解決可能な問題でもある。技術も経済も富も知性もイノベーションも全てが足りている。
まず10年以内に化石燃料の燃焼をなくし経済を変革していかなければならない」と訴えた。
建設中だったキャトルヒル風力発電所 稼働しているのは1基だけですが 完成すれば 他のものとあわせてタスマニアの再生可能エネルギーでまかなえるという。
地球温暖化ストップへの道 カーボンリサイクル・若者達の活動
地球温暖化研究の第一人者 国立環境研究所の江守正多が再生可能エネルギーについて 一番将来的に期待できるのは 太陽光発電 ・洋上風力発電だが、工場や発電所などから排出される二酸化炭素を回収しそれを資源として様々なものに活用するカーボンリサイクルという最新の技術もある。
化粧品などの化学製品というのは石油を元にして作られているが、CO2の炭素を使ってそういうものを作ろう。今でも出来るが コストがかかり、いかに安く出来るかにかかっている。
技術を変えるためにも 常識を変える必要がある。
地球温暖化ストップへの道 若者たちの活動
今、日本版気候若者会議というのがオンラインであり、108名の若者が10週間にわたって 集まって政策提言を作った。
商品がどれだけの二酸化炭素を排出して作られたのかを明記して販売する制度や無駄な消費をなくすためクレジットカードなどを利用して購入履歴を簡単に確認できるシステムの構築など58ページにわたる提言書。
さらに20代の若者を中心に環境問題を呼びかけるFridays For Future Japanという団体と連携。
今こうした若者たちの環境活動が注目を集めている。
私達に出来る温暖化対策
私一人の行動で 何が変わるんだろうかと思うが 私一人の行動が地球を変える。どんどん仲間を増やそう。
グレタ・トゥーンベリさん 「変化を起こすのに あなたが小さすぎるということはない」と語っている。
カーボンリサイクル 実現すればいいですね。
若い人 小学生などもしっかり理解しているのに 大人の事情で‥。
こういったことが無くなればいいですね。
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