古事記 上巻 高天原に初めての神誕生~神武天皇の父誕生まで★

イザナギイザナミ高天原に誕生し 国生み(日本列島作る) 。
イザナミ 子を産み死んだので、イザナギは黄泉の国へ行くが連れ戻せなかった。
イザナギが戻り みそぎを行い アマテラス スサノオ誕生
スサノオは暴れん坊で アマテラスの天を荒らすが、誓約により子誕生・アマテラス 天の岩屋に隠れる騒ぎになり、 スサノオは追放され、ヤマタノオロチを退治 出雲に住むようになる。

スサノオの6代後 オオナムジ因幡の白ウサギに会い 兄弟に追われ 根のかたすの国のスサノオのもとに行き娘と恋に落ち 試練を乗り越えスサノオに認められ 大国主と名乗り中つ国を治めた。

時は流れ アマテラスが「中つ国は私の子供がおさめるべき」と迫り大国主は出雲大社の建造を条件に国を譲りました。
アマテラスの孫ホノニニギが三種の神器を携え高千穂に降り 山の神の娘と結婚、 海幸彦 山幸彦が生まれた。山幸彦が中つ国を治め ウガヤフキアエズ(神武天皇の父)誕生した。

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以上が、古事記上巻 あらすじでした。
神様なので 人間の常識と違って 理解が容易ではありません。
2冊、片方は漫画ですが 読み比べました。ようやく 話が見えてきました。
古事記・ ヤマタノオロチ・因幡の白ウサギ・山幸彦の話、なんとなく知っていても 全然つながっていませんでした。
日本の始まり はじめて知りました。下巻も面白そうです。

絵物語 古事記 と マンガ古典文学 古事記(上)を読んでみた。

偕成社 絵物語 古事記 文:富安陽子 絵:山村浩二 監修:三浦祐之

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古事記は日本最古の文書、歴史書です。
全3巻で構成され、上巻は天地の創成から神々の国づくりの様子を語り、中・下巻で神武天皇から推古天皇までの出来事が記されています。

天武天皇が、稗田阿礼(ひえだのあれ)という舎人に暗記させ、それを太安万侶という人物が筆記したとされます。元明天皇のときに完成しました。

古事記三巻のうち 上巻の神話部分の絵物語。
国生み、天の岩屋、稲羽の白うさぎ、国ゆずり、海幸彦と山幸彦などが、わかりやすく綴られています。全ページに絵が添えられ 展開しています。
神様の名はカタカナです。


マンガ古典文学
古事記(上下) 里中 満智子 小学館文庫
神様の名前が漢字でひら仮名が振ってあります。
私としては こちらの方がしっくりきました。

上巻 かみつまき 神々の物語

イザナギとイザナミ 国生み(日本列島) イザナミ 子を産み死

むかしむかし 大昔、モヤモヤした世界から 天と地が分かれた。
天の領域 高天原(たかまのはら)に 一柱(ひとはしら:神様の数え方)の天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)が生まれた。
しばらくして現れたのが、男神の伊邪那岐(イザナギ)と女神の伊邪那美(イザナミ)
※初期の神様 神世7代のうち姿形を持った5組の神はみな「兄弟であり 夫婦です」

二神が矛で コオロコオロと海をかき混ぜると、オノゴロ島ができました。
高天原とつながる大柱をたてて ここから国づくりをはじめよう。宮殿もできた。
「僕の体は 1ヶ所だけ出っ張りすぎて余っているものがある」
「私の体には1ヶ所だけ引っ込んでいて足りないようなところがある」
と 女神が誘い結婚、不完全な神が生まれます。
男神が声を掛け結婚、最初に淡路島、四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡 そして最後に本州が生まれ、日本列島ができました。(国生み)

続いて国を守る神々を生んでいきますが、火の神 迦具土神(かぐつち)を生むとき、伊邪那美はやけどをおってしまい 苦しみながらも鉱山の神など生みますが やけどのもとで 死んでしまいます。
※火之迦具土神(ほのかぐつち) 利益「家内安全」代表的神社「愛宕神社」

伊邪那美を出雲国と 伯耆の国の境にある比婆の山に葬った。
それでも 伊邪那岐の悲しみは増し、迦具土神の首を剣で切り落とした。すると剣の神など次々と生まれた。

イザナギはイザナミを追い黄泉の国へ

伊邪那岐は 地の底にある 黄泉の国(よみのくに)に連れ戻しに行きました。
伊邪那美は黄泉の国の物を食べてしまっていて元の世界に戻れなかった。
伊邪那岐は のぞいてはいけないと 言われていたが、変わり果てた妻の姿を見てしまった。

恐ろしい顔をした 黄泉醜女(よもつしこめ)と呼ばれる使い達が追いかけてきたので、髪飾りを投げると 山ブドウになり、これを食べている間に逃げるが、食べ終えまた追ってきたので 櫛をとり歯を折り投げつけるとタケノコになった。それを黄泉醜女達が食べ 追うことを忘れた。

今度は伊邪那美に群がっていた8体の雷神が追いかけてきた。黄泉の出口で桃の実を投げつけ追い払った。黄泉比良坂で追ってきた伊邪那美を巨大な岩で黄泉の入口をふさいだ。
伊邪那美はこれからあなたの国の人々を1000人 こちらに引き込むというと、伊邪那岐は毎日1500人の赤ちゃんを生まれさせよう といった。
※黄泉比良坂は出雲国の伊賦夜坂(いふやざか)といわれる。

イザナギがみそぎ 神の3兄弟 アマテラス スサノオ誕生

伊邪那岐は黄泉の国から この世に戻り、川の流れで 心と体を清め みそぎを行い、たくさんの神々が生まれた。
最後に顔を清めると、天照大神(アマテラスオオミカミ)月読命(ツクヨミノミコト)須佐之男命(スサノオノミコト)が生まれた。
天照大神は神々のくらす 高天原を治めることに、月読命は夜の国をを治めることになった。
須佐之男命には海原の国を治めてくれと言ったが、大声で泣きわめくばかりで、海も大地も大荒れだった。母上のところに行きたいというと父に追放された。

アマテラス スサノオ 誓約・アマテラス天の岩屋に隠れる

大きくて 暴れん坊の須佐之男命(スサノオノミコト)は 姉の天照大神(アマテラスオオミカミ)に挨拶に行くと、足音は山や川に響き、地面はぐらぐら揺れた。天照大神は高天原を奪いに来たと思い 戦う準備をした。
お互い 身につけているもので 心を見ようと 誓約(うけい)によって 剣と髪飾りを交換し 子供が生まれたので 須佐之男命が別れに来たことを認めた。
ところが あまりにも 須佐之男命が喜びすぎ 暴れすぎで 機織り娘が亡くなった。
天照大神が悲しみ、天の岩屋にこもった。そのため 天の世界も、地上の世界も真っ暗になり 災害や悪霊が出て来た。
知恵の神様 思兼命(オモイカネ)が夜明けの祭を考えた。天宇受売命(アメノウズメ)が上半身を裸で踊り、八百万の神々が大盛り上がり、天照大神が 戸の陰から 顔を出した。
思兼命は 天照大神より尊い神がいらして 嬉しいと 天照大神に鏡を差し出した。
天照大神が もっと見ようと 身を乗り出したのを 岩屋の外へ引き出した。
これで 天にも地上にも また明るい光が差すようになった。
須佐之男命は罪滅ぼしの品をいっぱい 差し出させ ひげや爪を切り 高天原から追放した。

※ 天宇受売命(アメノウズメ) 利益「技芸上達」代表的神社「猿田彦神社・佐瑠女神社」

食べ物の女神 大宜都比売(オオゲツヒメ)のところによって 何か食べさせて欲しいと頼むと、奥で 鼻や口やお尻から 何やら出して ごちそうを作っていた。それを見て 須佐之男命は激怒 殺してしまった。
殺された女神から 蚕・稲・粟など様々の作物が生まれた。これが地上の作物の種になった。

ヤマタノオロチを退治 出雲に住む

須佐之男命(スサノオノミコト)出雲国の肥の川 にやって来た。
箸が流れてきた川を上ると、美しい娘を間に老夫婦が泣いていた。
その夫婦は大山津見神の子の足名椎命(あしなづち)手名椎命(てなづち)であり、娘は櫛名田比売(くしなだひめ)といった。

夫婦の娘は8人いたが、毎年現れる 八俣遠呂智(やまたのおろち)という8つの頭と8本の尾を持った巨大な怪物がやって来て娘を食べてしまい、この子だけになり、今年もやって来ると泣いていた。
須佐之男命は 櫛名田比売との結婚を条件に ヤマタノオロチ 退治を請け負った。
まず、須佐之男命は櫛名田比売を櫛にして 自分の髪にさした。
須佐之男命は強い酒を用意させ、8つの門を作り、それぞれに酒を満たした酒桶を置かせた。
やがてヤマタノオロチが やって来て、8つの頭をそれぞれの酒桶に突っ込んで酒を飲み、ヤマタノオロチが酔って寝てしまうと、須佐之男命は十拳剣で切り刻んだ。このとき、尾を切ると、尾の中から大刀が出てきのでたので 天照御大神に献上した。これが「草なぎの剣」と呼ばれ伝わっている。

須佐之男命は、櫛名田比売と結婚して 出雲の須賀で暮らした。
これで須佐之男命の話しはおしまいです。

スサノオの6代後 オオナムジ 因幡の白ウサギ

須佐之男命(スサノオノミコト)の6代後の子孫に大穴牟遅神(オオナムジ)がいました。兄弟が80人もいて みんな、大穴牟遅神を馬鹿にしていた。
あるとき稲羽(因幡)の国に美しい娘 八上比売(ヤガミヒメ)がいると聞き 兄弟揃って結婚の申し込みに行くことにしたが、みんなの荷物を袋に入れ 大穴牟遅神に持たせた。
兄の神達は気多の岬で皮をはがれたウサギが倒れていたので「なおしたいなら 海の塩水を浴び 高い山の上で風に吹かれればいい」といった。
大きな袋を担いだ 大穴牟遅神が 通りかかり ウサギになぜ泣いているか尋ねた。
ウサギは 隠岐の島に住んでいて 稲羽に住みたかったので 鮫をだまし お前の仲間と 私の仲間 どちらが多いか比べようと、鮫を並べ ウサギは 数える振りをして ぴょんぴょんと 鮫の背中を渡った。
そしてもう少しで向こう岸に着こうというとき、あまりのうれしさについ、『君たちはだまされたのさ』と言ってしまいました。 それに怒った鮫は、兎の白い毛をはぎ取ってしまった。
そこに 海の水を浴び 風に吹かれれば治ると教えられ その通りにしたら痛くてたまりません。
大穴牟遅神は、川の水で体を洗い 蒲の穂をほぐして敷き詰め そこに体を転がせばいいと 教えた。
ウサギはすっかり 元通りになった。そして 八上比売が選ぶのは 大きな袋を持った あなたですといった。
その言葉に兄弟の神々は怒り狂って、赤猪がいると 火で真っ赤に焼いた石を山の上から落とした。
大穴牟遅神が焼け死んだので、母の神は高天原に上って 神産巣日神(カミムスヒ)に頼んだ。
2柱の女神が地上に使わされ 大穴牟遅神は 生き返った。
兄弟の神達は、巨大な木の割れ目に 大穴牟遅神を入れ殺してしまった。
またお母さんが生き返らせ、木国(紀伊の国)大屋毘古神(オオヤビコ)の所に行くようにいった。

大穴牟遅神(オオナムジ)大黒様と呼ばれるようになりました。

オオナムジ 兄弟に追われ 根のかたすの国のスサノオのもとに 大国主と名を変え出雲に

大穴牟遅神(オオナムジ)は、木国にやってきたが、兄弟の神達も追いかけてきた。
大屋毘古神はあの大きな木のまたをくぐり抜けると、地の底の世界に通じている道があり 須佐之男命(スサノオノミコト)様のおられる 根之堅州国(ねのかたすくに)があり、助けてくれるだろうと 教えてくれた。

根のかたすの国は 須佐之男命 が治めていた。大穴牟遅神が来ると 根之堅州国(ねのかたすくに)に逃げました。
そこで須佐之男命の娘 須勢理毘売(スセリビメ)と出会い 恋に落ちます。
須佐之男命に蛇の室屋に入れられ須勢理毘売に助けられる。蜂とムカデの室屋に入れられ須勢理毘売に助けられる。火に責められねずみに助けられる。須佐之男命の頭のシラミ取り実はムカデだったので、須佐之男命の生太刀と生弓矢を抱え、須勢理毘売と共に 黄泉比良坂を駆け上った。
須佐之男命は、「お前の持っている 生太刀と生弓矢で兄弟の神々を追い払い、逃げるな。
娘の須勢理を正妻として、大国主神(おおくにぬしのかみ)と名乗るが良い」
大国主出雲の山の麓に御殿を建て、葦原(あしはら)の中つ国をおさめることになった。

小さい神 スクナヒコナが国づくり手伝う

大国主は 葦原(あしはら)の中つ国と呼ばれる この世界を おさめはじめて しばらくした頃、
海の彼方から、とても小さくて ガガイモの実の船に乗り蛾の皮をはいで作った服を着ていた。
大国主が「誰かこの神様を知らないか」と尋ねたら、カエルに「久延毘古 (クエビコ)にお聞きなさい」と言われた。
久延毘古は1本足の神様で、歩けないが何でも知っていた。今では田んぼで かかしになって田んぼを守って、知恵の神・知識の神とも言われています。
久延毘古に小さな神様について聞くと、「 神産巣日神(カムムスビ)の子の、少彦名命(スクナヒコナ)ですよ」と答えた。

※ 八上比売(ヤガミヒメ)の時に母の神が 神産巣日神(カムムスビ)に願い出て 助けられていた。

大国主は、神産巣日神(カムムスビ)に、少彦名命(スクナヒコナ)が地上にいることを教えた。
神産巣日神は 小さな我が子に 「大国主と兄弟になって 国づくりのお手伝いをしなさい」と言った。
力を合わせ この国を豊かな国と作り上げ しっかりおさめた。
あるとき 少彦名命がいなくなったので 「どうしたらいい」とだれかれなく 問いかけていたら、海原から 輝く神がやって来て、「倭(大和)をかこむ 山並みの東の峰に祀ってくれたら 力を貸そう」といった。
大国主はさっそく倭の三輪山のてっぺんにその神を祀った。
おかげで この国を長く平和におさめることができた

大国主にアマテラスの子に 国ゆずり迫る

大国主中つ国を おさめはじめて どのくらいたった頃でしょう、高天原の天照大神(アマテラスオオミカミ)が「中つ国は私の子供の忍穂耳命(オシホミミ)がおさめるべき」と命じ 神々を集め、話し合わせた。
知恵の神様 思兼命(オモイカネ)が、昔 須佐之男命が高天原に上ってきて 天照大神と誓約(うけい)の占いをしたとき 生まれた 天之菩卑能命(アメノホヒ)を 中つ国に行かせた。
ところが 天之菩卑能命は大国主と仲良くなって、従ってしまっていた。
3年経っても連絡が無いので 神々が 会議を開き 思兼命が、天若日子(アメノワカヒコ)を行かせた。
天若日子は 大国主の娘 下照比売(シタデルヒメ)と結婚し、出雲に君臨できたらと 考えていた。
8年も天若日子から 連絡が来ないので、高御産巣日神(タカミムスヒ)天照大神鳴女(ナキメ)という雉(『鬼滅の刃』にも登場)を下界に使わした。
天若日子は鳴女を弓矢で射殺した。その矢は 天の 高御産巣日神と天照大神の足元に届いた。
天若日子に与えた矢だったので、高御産巣日神は「もし天に逆らう心で射た矢なら天若日子に天罰を!」と呪文をかけ 矢を投げ返した。
矢は 朝の寝床にいた天若日子の胸に刺さって、命を奪った。

大国主の二人の息子も国譲り認める 出雲に御殿建設

天照大神は 再三 失敗を繰り返して来た 高天原の神々も今度は、非常に力のある神をと考え、建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)を使いに出します。
建御雷之男神は「中つ国は天照大神様が御子におさめるように命じた国だ。この国を天照大神の御子にお譲りするべきだと思わないか?」と尋ねた。
大国主は「私には 領地を継ぐ息子がいる。彼らに聞いてください、あいにく出かけています」
建御雷之男神は 大国主命の子、事代主神(ことしろぬしのかみ)に話し譲り受けた。
もう一人 建御名方神(たけみなかたのかみ)は力くらべを挑むが敗れ、諏訪(すわ)湖に逃げ降伏した。

大国主は、国を譲るかわりに、出雲に高天原に届くほど高い宮殿を建て、すみかとして認めてもらい、天の神に従うと誓った。
大国主命は出雲大社の建造を条件に国を譲りました。

アマテラスの孫(天つ神の御子の子) 高千穂に降りる

建御雷之男神から 中つ国の平定を聞いた 天照大神は、かつて 私が須佐之男命の剣から生み出した天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)を送ろうとしたが、「それならば息子の邇邇芸命(ホノニニギ)」と孫を地上に派遣することにします。
天照大神は、邇邇芸命のお供に 天の岩屋から引き出すとき活躍した天宇受売命(アメノウズメ)ら5柱の神々を選んだ。そして 大切な3つの宝 八咫鏡・草薙剣・八坂瓊勾玉を与えた。これは三種の神器と称され、皇位のみしるしとして代々伝えられることになります。

邇邇芸命(瓊瓊杵尊)は猿田彦神の案内で 八百万神を従え、高天原から 九州日向の高千穂の峰におりた。(天孫降臨)。
邇邇芸命は、天宇受売命に 猿田彦神を伊勢に送るよう命じ、「猿女(サルメ)」と名乗らせた。

ホノニニギ 山の神の娘と結婚

邇邇芸命(ホノニニギ)は笠沙の岬で 美しい娘がいたので名を聞いたら、 山の神 大山津見神の娘 木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)と答えた。
(※当時 名を聞くのは求婚のしるし、答えると受け入れたことになる)

邇邇芸命は大山津見神にも会い、結婚の際にも共に嫁いできた姉の石長比売(いわながひめ)を追い返したため、邇邇芸命とその子孫は 人間のようにいつか死を迎えることになった。

木花之佐久夜毘売が邇邇芸命に「赤ちゃんができた」と告げたが、日も浅くこんなに早く生まれるはずがないと疑ったので、木花之佐久夜毘売は一人産屋にこもって 火をつけてしまった。
姫は炎の中で 3柱の男の赤ちゃんを無事産み、邇邇芸命の子であることを証明した。

ホノニニギの子 海幸彦 山幸彦

花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)の生んだ邇邇芸命(ホノニニギ)の三柱の息子
・[長男]火照命(ホデリ)…釣り道具を使って海の幸を獲るので海幸彦(うみさちひこ)と呼ばれる
・[二男]火須勢理命(ホスセリ)
・[三男]遠理命(ホオリ)…弓矢を使って山の幸(獣)を狩るので山幸彦(やまさちひこ)と呼ばれる

ある日のこと、弟 山幸彦は、兄 海幸彦に、たまには互いの道具(釣り針と弓矢)を交換しないかと提案します。兄 はあまり乗り気ではなかったのですが、弟が執拗にせがむので、渋々、交換をするのでした。
山幸彦は釣り針を魚にとられてしまい、刀を溶かし針を作っても海幸彦は許してくれなかった。
山幸彦が困って泣いていると、塩椎神(シオツチ)が姿を現し竹で隙間のないカゴのような船を造り、山幸彦を乗せました。
塩椎神は「この船で潮の流れに身を流せば、そのうち、ウロコの屋根を持つ海神 綿津見神(ワタツミ)の宮殿が見えてくる。傍らに泉があり 傍らのカツラの木に登り待っていれば、綿津見神の娘が助けてくれるだろうから。」と言いました。
山幸彦が、御殿のそばの泉を見つけ木に登り待っていると、姫君の侍女が水を汲みに来ていたので、「水を一口飲ませて」と頼み、首飾りの玉の1つを口に入れ カメに吐き出すと、玉はカメからとれなかった。
侍女は 仕方なく豊玉毘売(トヨタマビメ)の元に玉の入ったカメを持って行ったら、姫は玉についてたずね、門の側にいる 山幸彦を見て恋に落ちた。
姫は父である海の神に知らせると、天の神の御子ではないかと認め、山幸彦と豊玉毘売の婚礼の準備を始めた。

山幸彦豊玉毘売は幸せに暮らし、3年経った頃 山幸彦はなくした釣り針のことを 思い出しため息をついた。それを見て 姫とは綿津見神に相談、山幸彦が打ち明けると 綿津見神は 海中の魚たちを集め 釣り針のことを聞いた。鯛がのどに引っかけていた釣り針を見つけた。
山幸彦につり針と 知恵を授け 2つの海の宝の珠を授けた。そして鮫を呼び集め 最も早く送れる鮫を選び送らせた。
※無事に送り届けてもらった 山幸彦は 御礼に 紐付きの小刀を鮫の首にかけた。その鮫は サイモチの神と呼ばれるようになった

山幸彦(ホオリ)は、さっそく 兄の海幸彦の所に行って 教えられたとおり 釣り針を返すとき後手で渡した。
また 綿津見神は「兄上が高いところに田を作ったら低いところに作りなさい。兄上が低いところに田を作ったら高いところに作りなさい」と伝えていた。
どこに田を作っても海幸彦はやせた稲しか実らなかったが、山幸彦がどこに田を作ってもドッサリ実った。綿津見神が水の流れを操って田を潤していてくれた。

あるとき 海幸彦が焦りのあまり 攻めてきた。山幸彦は「二つの珠」を取り出した。これは、潮満珠と潮干珠で、潮を操り 兄の海幸彦を降参させた。

山幸彦が中つ国を治め ウガヤフキアエズ(神武天皇の父)誕生

これにより 末っ子の 山幸彦が中つ国をおさめることになった。
しばらくして 豊玉毘売(トヨタマビメ)が赤ちゃんが宿っていて まもなく生まれるとやって来た。
豊玉毘売は海の国では 元の姿に戻り お産しますので、姿を見ないでくださいと言って産屋に入った。
山幸彦は待っている間 つい産屋をのぞくと 巨大な鮫がのたうち回っていた。
豊玉毘売は無事赤ちゃんを生んで、「鵜の羽の屋根が葺き終えるまえに生まれた男の子」として、鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズ)と名付けられました。
しかし 豊玉毘売はのぞき見されたことをしり 恥ずかしがって 海へ続く道を閉ざし ワタツミの宮に帰ってしまった。戻っても我が子を忘れられず、自分の妹の玉依毘売命(タマヨリビメ)を遣わし、子育てを任せた。

山幸彦(ホオリ)は高千穂で中つ国をおさめ続けた。遠い海に去った妻を思いながら、なんと580歳まで長生きし、お墓は高千穂の山の西にある。

鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズ)は母の妹の玉依毘売命(タマヨリビメ)と結婚4柱の息子 彦五瀬命(いっせ)、稲飯命(いなひ)、三毛入野命(みけぬ)、若御毛沼命=神武天皇(ワカミケヌ)を得た。

から下った 邇邇芸命(ホノニニギ)は山の神の娘と結婚し 山幸彦(ホオリ)を生み、その山幸彦が海の神の娘と結婚し、これより 中つ国は天の神と 山の神と 海の神の血を引く者が治めて行くことになる。(上巻 完)

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