GoogleマップでWeb旅行!オリエント急行とスイーツ

NHK BSP 初回放送日: 2023年6月 プレミアムカフェ
オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年)、 オリエント急行 スイーツ列車紀行 東欧(2020年)を拝見し、その行程をGoogleマップにマーキングしました。美しき欧州スイーツを味わいながら 往年の「オリエント急行」の路線、9か国3千キロを高島礼子さんが旅しました。

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西欧編

イギリス:スコーン

『オリエント急行の殺人』の作者 アガサ・クリスティー大のスイーツ好きで多くの小説にもスイーツが登場する。アガサが大好きだった イギリスで最も歴史のあるホテルの1つで アフタヌンティーを楽しんだ。サンドイッチ、ケーキ、スコーン の3段重ねのアフタヌンティースタンドが運ばれてきた。
イギリスでは、スコーンクロテッドクリーム(2000年前から作られた来た 煮詰めた牛乳の表面に固まった乳脂肪分から作られ バターのような濃厚さと 生クリームのような口当たりが特徴)とジャムのつける順番で、どちらが「正しいのスコーンの食べ方」という論争が長く繰り広げられています。
アガサ・クリスティーも クロテッドクリームの思いを自伝に残している。
クロテッドクリーム発祥と言われる イギリスの南西部にあるデヴォン州では、クリームファーストでクロテッドクリームをまずスコーンにつけてからジャムが クリームをたくさん食べられ 正しいと、道路看板やTシャツを作って主張。
さらに南西部にあるコンウォール州では、ジャムファースト、ジャムをつけてからクロテッドクリームをつけると美しいと主張。あのエリザベス女王もジャムが先だと、王室の専属料理人が証言。
アガサ・クリスティーの『バートラム・ホテルにて』に 「本物のシードケーキはない」とあった。シードケーキはバター生地に植物の種を加えた焼き菓子のこと。菓子店のシードケーキはケシの実入りだった。伝統的な郷土料理の店で キャラウェイ(セリ科の植物の種)の入った パウンドケーキ キャラウェイシードケーキを見つけることが出来た。
ロンドン セント・パンクラス駅から 2時間17分でパリにいける ユーロスターがありますが、往年のコース ロンドン・ヴィクトリア駅から 日本製の列車 ジャベリンドーバー プライオリー駅に。
フェリーで ドーバー海峡渡る。高さ100m近い白い断崖を眺め 船内で 虹色の レインボーケーキ

フランス

1時間半の船旅でカレーに。カレーヴィル駅から かつてのオリエント急行の車両と出会う。
蜂の巣を意味する ワッフル。 3種のワッフルがある。16世紀 ベルギーの市場の様子を描いたブリューゲルの絵に ワッフルの元祖 四角いパンのようなものが 描かれていた。
国境の街 リール 小判のようなワッフル、 薄く中にクリーム、ドゴール大統領が愛した。

ベルギー:ワッフル

首都 ブリュッセルで 透き通ってパリパリの四角いワッフル、クリームをたっぷりつけ いただく。

東部のリエージュ・ギユマン駅 鉄とガラスのドームで覆われ 2009年完成した駅は街のシンボル
リエージュワッフルはいつも見る形 パールシュガーが入っていて シャリシャリと歯ごたえが残る。砂糖の焼けるニオイ、焦げ目 中は柔らか。
ワインレットの車体タリスで 高速鉄道で ケルンに向かう。キュベルドン 鼻という意味で 液体状の甘いシロップ入りの砂糖菓子。

ドイツ:バウムクーヘン

ブリュッセルから 1時間50分で ドイツ最初の停車駅 ケルン中央駅に到着。 11月のケルン 3度と冷え込んでいた。駅前にそびえる157mのケルン大聖堂。街は11月11日11時11分のカーニバルで賑わっていた。老舗 カフェ アイグルにはチョコのかかった小さいバウムクーヘンしかなかった。
バウムクーヘンはメジャーなお菓子ではない。オリエント急行から離れ ドイツ北部のバウムクーヘン発祥地 ザルツヴェーデルへ5時間かけ 到着。人口2万3000人ほどの街。横に薄くそぐように切るのがドイツ流 バウムクーヘンシャイベという。東ドイツに組み入れられ 政府の管理下になって材料も変えられた。外貨獲得のため大量生産された。今昔ながらの味を読みがえさせている。
オリエント急行 は豪華な設備を備えた個室で人々の夢を乗せていた。旅情あふれる夜汽車の旅を楽しめるのがオーストリア国鉄の寝台列車 ナイトジェット。個室には専用シャワーもついていて 朝食は6品まで無料で選べる。ベルリンからウイーンまでおよそ12時間半の長旅。旅のお供は ドイツ北部の菓子パン
フランツブレートヒェン

オーストリア

ドナウ川を渡りウィーン到着。オペラ座終演に合わせ 夜の10時 カフェでは ブフテルン(パン生地にジャムが練り込まれている)が焼かれる。
ウィーンには至る所にカフェがあり、欠かせないスイーツ ザッハトルテ(チョコレートケーキ)
高級ホテル アプリコットジャム2層と ハプスブルク家の宮廷御用達の高級菓子店 ジャムが上だけ 裁判で争われて 現在は共に食べ比べられている。

UnsplashMichal Matlonが撮影した写真

東欧編

オーストリア

ウイーン 650年間君臨したハプスブルク家の皇帝らが暮らした ホーフブルク王宮皇妃 エリザベートもスイーツ好き。エクササイズの部屋もある。
マリア・テレジアはハプスブルク帝国を治めていた女帝で、シェーンブルン宮殿 の離れグロリエッテを訪れ 広大な領地で取れる食材でスイーツを楽しんだ。アプフェルシュトゥルーデル は直訳すると「リンゴの渦巻き」 薄いフィロ生地でシナモン風味のリンゴを巻いたもの。フィロ生地はトルコから伝わったもの。
ファーストクラスのような オーストリア国鉄のレールジェットで ハンガリーのブダペスト目指す。旅のお供は エリザベートも愛した スミレの砂糖漬け

ハンガリー

2時間37分でブダペスト東駅 Budapest-Keleti に到着。巨大なドーム屋根のホーム、宮殿のような駅舎。
ドナウの真珠といわれるブダペスト。1918年までオーストリア=ハンガリー帝国として統治され ハプスブルク家の領土だったので ウイーンを彷彿させるスイーツの店を多く見かける。エリザベートも絶賛した パティシエが生み出した ドボシュトルタ 1番上にカラメルが乗っている。レシピを公開し 広く作られている。
チョコレートつくりも盛んで マジパン(アーモンド粉末と砂糖を混ぜ合わせたお菓子)と組み合わせ。
ハンガリー側の国境駅 ケレビアに到着。セルビアの列車に乗り換え。

セルビア

最初の駅 スポティツァに入るとECに加入していないので 国境警備員がとりかこむ。
ベオグラードへ到着。1990年代内戦が続いていた。ミサイル攻撃を受けた建物が残る。
どの店にも モスクワシュニッツがある。シュニッツはケーキの意味で、1908年創業のホテルが元祖。特権階級が満足し、庶民が買えるケーキを国産食材を用い作った。
多くのVIPを招いたユーゴスラビアのチトー大統領の専用列車が残っていて 観光用に走らせることが出来る。
チトー大統領の専属料理人 スイーツを食べればうれしい気分になり その時平和を実感できる。甘いものは平和の証
ベオグラード駅は49年前工事が中断され ホームだけ出来ていた。
やがて峡谷に入りバルカン山脈の難所。
やがて国境近くのデミトロフグラートで降りる。国境区間は夏の観光時期だけ運行。車で国境越え

ブルガリア

ブルガリアで中央ヨーロッパ時間から東ヨーロッパ時間に変わり 1時間進む。
ドラコマン駅Dragomanで再乗車。ベオグラード駅から約10時間 首都ソフィアに到着。
殺風景で何もない。社会主義国家の面影が残る。ブルガリアは14世紀から500年間オスマン帝国に支配され 第2次世界大戦後 社会主義体制になり 1989年に社会主義体制が崩壊 2007年ECに加入しても 最も貧しい国だった。
バラが生産量世界一で 8割がブルガリア産のバラ、ブルガリアヨーグルト。
最近 人気シェフが ブルガリアの食材で スイーツを考案 、バラのジャムで作ったバラの花と 羊のヨーグルトのスイーツなど。
バニツァ はウイーンのアプフェルシュトゥルーデルと同じように カボチャを薄い生地で包んで焼いた。
ソフィアからイスタンブールまで600キロ 夜行列車でおよそ10時間。

トルコ

トルコ側の国境駅 カプクレに到着。イスタンブール近郊のハルカリ駅で最後の乗り換え ボスポラス海峡を超え 「オリエント急行」の終着 シルケジ駅に到着。これまでと違った イスラム社会。
昔からある 宝石のように美しい ロクム はいう砂糖とデンプンをベースに、香りや色をつけ クリームややヘーゼルナッツなどを加えて作られます。
栄華を極めた オスマン帝国のトプカプ宮殿 の元宮廷料理人が作った 1つが ロクムでした。
男性もスイーツが大好きで、国民的スイーツ 薄いフィロ生地 で幾層にも重なった バクラバ ピスタチオが挟まれて 甘いシロップが しみこんでいる。ウイーンのアプフェルシュトゥルーデル の原型でした。
イスタンブールの格式あるクラッシックホテル 数々の著名人が泊まった。アガサ・クリスティーの泊まった部屋が今も残るが 意外とこじんまりとしていた。